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2006年09月アーカイブ

5.その前に「熱可塑性」とは?

前回までは「熱可塑性」では無い「エラストマー」である、いわゆる「ゴム」の話でした。

ところで、また遠回りになりますが、いったい「熱可塑性」ってなんでしょう?

またもや 辞書で「塑性」を調べてみると、
「物体に作用する外力が除かれても物体に変形が残る特性」(小学館国語大辞典)とあります。

粘土みたいなものを「塑性体」だと思ってください。
つまり、「熱可塑性」とは「熱をかけると、粘土のように柔らかくなる性質」のことです。

現在、 身の回りの「プラスチック」の多くは「熱可塑性」であり、熱によって溶け、変形が発生します。

4. いわゆる「ゴム」の加工方法

もうしばらく、「ゴム」の説明が続きます。

ゴムの種類にも拠るのですが、一般的なゴム製品は、
1) 原材料を加硫材とを所定の比率で混練する。
2) 加工用の金型に挟む
3) 一定時間、加熱する。
 (ゴムの種類にもよるが、固まるのと同時に、化学反応により架橋がすすみ、弾性が増す)
4) 製品の取出
5) バリを取る

という数工程が必要となります。
Step 3の「一定時間の加熱」というのも物によっては数分間必要とあり、ゴム製品は一般に、加工時間が多く必要となる場合が多いのです。

加えて、「加熱して固めた」わけなので、「熱には溶けない」ということになります。
これは、「熱に強い」という、大きなメリットでもあるのですが、反面、リサイクルしようと思った時に、方法が無いわけではないのですが、簡単には溶けないので、ちょっと厄介なのです。

3. その前に「ゴム」をチェック

前回は「エラストマー」の解説でした。
「エラストマー」は「弾力性のあるゴム状の素材」の総称、との解説をしました。
「熱可塑性エラストマー」の説明をする前に、いわゆる従来型の「ゴム」(加硫ゴムと呼ばれる)について簡単に説明します。
ちょっと遠回りになりますが、これを説明しないことには「熱可塑性エラストマー」の特徴を説明しにくいのです。

一口にゴム、と呼ばれますが、この「ゴム」にも色々あって、良く出てくるものに以下の物があります。

詳しく見る

2. そもそも「エラストマー」とは?

そもそも「エラストマー」って何ですか?という質問を頂きます。
たしかに、まだまだ知名度は低いようですが、普通の英語辞書で調べてみるとしっかり載っていて、
[elastomer]【エラストマー】
天然ゴム・合成ゴムなど、弾性体

とあります。ちなみに

[elastic /ilトstik/ ]【エラスティック】
ゴム(製)の;〈ゴム・ばね・気体などが〉伸縮性[弾力]のある;しなやかな;〔理〕弾性(体)の
融通の利く
ともあり、難しい学術専門用語かと思ったら意外にも普通の英語のようです。

まあ、掻い摘んで言うと、「エラストマー」とは「弾力性のあるゴム状の素材」の総称と言うことなんでしょうね。いわゆる「ゴム」はもちろん、「ゴムみたいなもの」も含めて全部「エラストマー」と思っても、取合えず良いと思います。
(用途によってはちょっと違和感のある場合もあるのですが・・・)

ですが、最近ではいわゆる「ゴム」ではない、「熱可塑性エラストマー」のことを、「エラストマー」と呼ぶ場合が多くなっているような気がします。
名前が長いし、「熱可塑性(ねつかそせい)」なんて聞きなれない難しい単語だからなのでしょうが、我々「プロ」からするとちょっと聞き捨てならないところであります。

というわけで、「熱可塑性エラストマー」、その用語の意味をちょっと説明させて頂きます。

1.熱可塑性エラストマー(TPE)」について

「熱可塑性エラストマー(TPE)」についてしばらく取り上げたいと思います。
「熱可塑性エラストマー(TPE)」は簡単に言ってしまうとゴム状の軟質プラスチックの一種です。それほど目新しい素材ではありませんが、さまざまな理由で採用が増えており、注目を浴びている素材です。
当社でも、現在、6メーカー、15グレードの取扱をしており、ちょっとした「ブーム」(?)になっています。

始めまして

このページでは「成形屋」のウンチクを、紹介したいと思います。高度な専門知識や、難解な話は必要無いけど、手っ取り早く、浅く広く知りたい、という方々向けの内容です。
既に専門知識をお持ちの方の目に触れるには、ちょっと恥ずかしい内容ではありますが、「プラスチック加工ってどうやってするの?」というような疑問をお持ちの方々のお手伝いになれば幸いです。
前のブログであっても日々見直して、更新致しますので、コメントを頂ければ幸いです。

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