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99 雑学

架橋とは

建設業では「橋をかけること」を「架橋」というのですが、化学の世界では化学反応の1種で「架橋反応」と呼ばれ、高分子の分子間を化学的に結合させて網状構造をつくることを言います。

通常の熱可塑性プラスチック(熱で溶けるプラスチック)は分子が1本の直線状につながっています。
これに対し、ゴムや熱硬化性プラスチック(熱で溶けないプラスチック)においては、いくつも分岐があり、それが、他の分子の分岐につながることで、網目状になっています。
このような構造を架橋構造といい、架橋構造を得るための化学反応を、架橋反応と呼びます。
架橋反応が進み架橋密度が高くなるほど、結合が強化され、耐有機溶剤性、耐熱性が増します。

例えば、ゴムでは原料は粘土状の場合が多いのですが、これに「架橋剤」として「硫黄」などを良く混ぜ、熱を加えてやると、化学反応がおこり固まるとともに、弾性をもったゴムになるのです。
最近では硫黄分を含まない架橋剤もあるのですが、ゴムの成形ではこの工程を「加硫」と呼ぶことが多いようです。
さらに架橋剤を多く配合し、架橋密度を増すと硬い「エボナイト」という一種のプラスチックになります。

また、通常の直鎖状のポリエチレンは耐熱性が非常に悪く、耐熱性が良い物でも、50℃ぐらいから軟化が始まり130℃で溶融してしまいます。
このポリエチレンに放射線を照射すると、架橋反応がおこり、直鎖状の分子構造が網目状の構造にかわり、熱変形温度が120-130℃へ向上します。
このため架橋ポリエチレンは従来の塩ビに替り、電線や、配管に多用されるようになってきました.

ほかにも、エポキシ樹脂や、歯科などで使われる感光性樹脂なども架橋反応により固まります。

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