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2006年10月アーカイブ

8. 「熱可塑性エラストマー(TPE)」の利点

「熱可塑性」のエラストマーが開発されたことによって以下のような利点が生まれました。
1) 加工時間が大幅に短縮されたことで、加工費が削減できるほか、大量生産が可能となった。
2) いわゆる「ゴム」に比べ、金型の自由度が大きく、複雑な形状、高い精度が可能
3) 通常のプラスチックの加工設備がそのまま使用できる。
4) ゴムに比較して簡単に着色が可能、調色も容易であるため美しい外観が得られる。
5) 熱で溶けるため、リサイクルが容易
最近では特に、この「リサイクル」性の良さが受けて、リサイクルが義務付けられている家電・自動車では盛んに利用されるようになりました。

7. それじゃあ、「熱可塑性エラストマー(TPE)」ってなに? その3

大分遠回りしましたが、やっと「熱可塑性エラストマー(TPE)」の説明ができます。

つまり、従来からある「ゴム」(普通のエラストマー)と異なり、「熱をかけると溶け、変形することが出来る」のが「熱可塑性エラストマー」なのです。

加工方法から言うと、おおざっぱに以下のような違いがあります。

「ゴム」
粘土状に原材料を良く練り合わせ、金型に挟んで焼いて固める。
(種類によって違うものもあります)

「熱可塑性エラストマー」
ペレット状の原材料に熱をかけて溶かし、金型に注入し、冷やして固める。

6. 「熱可塑性」と「熱硬化性」?

ちなみに「熱可塑性」の反対の言葉は「熱硬化性」です。
「熱硬化性」とは、つまり、「熱をかけると、固まる性質」のことです。
後々説明しますが、プラスチックには「熱硬化性プラスチック」と呼ばれる分類があり、「熱可塑性プラスチック」の2種類に大別されます。

前回のゴムの加工で、「一定時間、加熱する」という工程がありましたが、これは固めることだけが目的では無いのですが、「熱硬化性」にかなり近いものです。
ただし、 ゴムの事を、「熱硬化性エラストマー」と呼ぶ人は居ませんので、ご注意を。

「熱可塑性エラストマー」は、熱によって溶けて、冷やすと固まる、ゴム状の素材の総称だと覚えてください。

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