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プラスチックの分類 その3 熱可塑性樹脂

熱で軟化し、冷えると固まるのが「熱可塑性樹脂」です。
私たちの身の回りのプラスチック製品は、9割以上、この「熱可塑性樹脂」で作られています。

この「熱可塑性樹脂」、種類が非常に多く、少なく見ても20種類以上、特殊なものまで数えれば50種類以上あります。
これを通常、似たようなものを集め、以下の2種類の分類方法で分類します。

1)結晶構造の有無による分類
結晶構造のある「結晶性樹脂」、ランダム構造のみの「非晶性樹脂」、溶融状態でも結晶構造のある「液晶ポリマー」

2)機能性によるもの
大量に生産され身近な製品に良く使われる「汎用樹脂」、
汎用樹脂に比較して機能性が高い「エンジニアリングプラスチック(通称エンプラ)」
エンプラも更に、「汎用エンプラ」と「スーパーエンプラ」に分類されます

プラスチックの分類 その2 熱硬化性樹脂

大雑把にいうと、熱で固まる「熱硬化性樹脂」は架橋反応とよばれる化学反応によって硬化します。
熱をかけるのは反応を促進するためです。
2液性のエポキシ接着剤というものがありますが、熱硬化性樹脂そのものです。

熱により化学反応が促進し固まる。だから、温度が高くなっても軟らかくなりません。

樹脂の種類などにもよるのですが、多くのものは、
1)熱硬化性樹脂は熱で軟化しないので、耐熱性がよい
2)金型構造が比較的単純にできるので金型費が安価
3)一般的な圧縮成形法であれば、プレス機のような単純な構造の成形機で良く設備が安価
などの利点があるのですが、

1)加工時間が熱可塑性樹脂に比較して、非常に長い
2)スクラップなどのリサイクルが困難
3)通常、バリ取りの2次加工が必要となる
などのデメリットにより、特定の分野にのみ使用されています。

最近では、
1)RIM成形法とよばれる全自動成形
2)フィギアなどの極小ロットむけ製品(簡易キットとして販売されている)
などで見直されつつあります。

熱硬化性樹脂の種類は以下のとおり
エポキシ樹脂
ジアリルフタレート樹脂
シリコーン樹脂
フェノール樹脂
不飽和ポリエステル
ポリイミド樹脂
ポリウレタン樹脂
メラミン樹脂
ユリア樹脂

プラスチックの分類 その1 分類方法 熱可塑性・熱硬化性

プラスチックには、数多くの種類がありますが、性質の似ているものをいくつかのグループにして覚えるとその性質や特徴が理解しやすくなります。

大きく分けて、熱で軟化し、冷却すると再度効果する熱可塑性樹脂と、
熱を欠けると硬化が進み軟化しない熱硬化樹脂の2種類に分類されます。

16. 熱可塑性エラストマー、スチレン系(SBC)その2−使用例

1) 工具のグリップ
比較的安価で、軟らかいグレードが充実している、ABSとの接着性がよいことから、さまざまなグリップに使用されています。

2) パッキン類
2色成形により、プラスチック部品とパッキンとの一体成形も可能です。

3) 軟質が得意であるため、ゴーグルなどの軟質部品、シール部品に使用されます。

15. 熱可塑性エラストマー、スチレン系(SBC)その1

熱可塑性エラストマーの中で、もっとも生産量の大きいエラストマーです。
ハードセグメントをポリスチレン、ソフトセグメントにポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエンなどを使用したエラストマー。

TPOより軟らかいグレード(HSA30〜)が充実しており、ゴムに近い感触が得られます。
シリコンゴムなどの代替用途に使われることもあるようです。
メーカーによっては透明グレードもあります。

材料コストもオレフィン系と同程度で比較的安価なのが特徴です。
水素添加ポリブタジエン系などは耐候性、耐熱老化性も向上し、さまざまな用途に使用されています。

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